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コラム
Column

鋳物の特性

Publish :
2023.06.20
Category :
アルミのはなし

加熱して溶かした金属を型に流し込み、それを冷やして固める加工法を「鋳造」、そして、鋳造で作られた金属製品のことを「鋳物」と呼びます。

鋳物は、以下の3つの特性を持っています。

①ガスの吸収

溶解した金属は酸素、水素などのガスをよく吸収します。この性質は、鋳造品に対しピンホールや介在物(酸化物)、材質をもろくするなどの鋳造不良の原因となり得ます。そのため、溶解中のガス吸収をできるだけ少なくし、吸収されたガスは速やかに排出することが重要になります。

②収縮

溶湯を鋳型に流し込み、常温まで冷却すると、収縮し容積が減ります。これには液体収縮、凝固収縮、固体収縮の3段階があります。溶湯を鋳型に注入すると、まず溶湯の表面に薄い皮ができ、それがしだいに厚くなり、鋳型の壁から鋳物の中心に向かって凝固します。この凝固し始めるまでの液体収縮と凝固する時の凝固収縮、さらに常温までにおこる固体収縮となります。これらの進行状況を把握することは、押し湯やせきなどの鋳造方案を設計する上でとても重要なことです。

③収縮(縮みしろ)

鋳物が凝固する時の収縮は、鉄鋳物で0.8~1%、アルミ鋳物で1~1.2%です。そのため、この収縮分を見込んだ模型または鋳型(金型)を製作しなければなりません。この寸法差を縮みしろといい、たとえば100mmの長さのアルミ鋳物を作りたいとすると、102mmの模型を作ることになります。

これらの特性を十分に理解し、対策を講じることでよい製品を作ることができます。