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コラム
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アルマイトとは?

Publish :
2024.07.31
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アルマイトとは、アルミニウムに対して行う人工的な防錆処理のひとつです。アルミニウムは化学的には活性な金属である一方で錆びにくい性質があります。しかし、アルミニウム表面に自然にできる酸化膜は、機械的な損傷や化学的な影響で損傷した場合、腐食が進行します。また、強度を高めるため合金にすることで耐食性が低下するなどの特徴があるため、多くの場合でアルマイトという処理を行います。

アルミニウムに行う表面処理

アルマイトは、アルミニウムの表面に陽極酸化被膜を生成させる表面処理です。アルミニウムは何もしなくても自然に酸化被膜が作られる素材ですが、自然の被膜は非常に薄いため、傷に弱いなど万能ではありません。そこでアルミニウムを陽極として電解処理を行うと、酸素とアルミニウムの表面が結合し、耐久性の高い酸化被膜が作られます。この電解処理をアルマイト処理といいます。

メッキとの違い

アルマイト処理ではアルミニウムに直接、酸化被膜を生成します。したがって、被膜は素材そのものに浸透した状態です。アルマイト処理をするとき、アルミニウム側は陽極となります。

一方、メッキは、表面に金属の膜をつける処理です。すなわち、金属は表面に張り付いているような状態となります。メッキ処理をするときは、アルミニウム側は陰極の扱いです。さらに、アルミニウムは自然状態ですぐに酸化被膜ができてしまうため、メッキをする場合は一度、酸化被膜を取り除かなくてはならず手間がかかります。

日本で発明されたアルマイト処理

実はアルマイト処理は、日本が誇る世界的な技術です。アルミニウムに酸化被膜が生成されることは、すでに解明されていました。これを応用した被膜製法で、当時の記録によると1923年(大正12年)鯨井恒太郎氏・植木栄氏によって「アルミニウム並びにアルミニム合金の防銹法」の特許出願が行われたのです。

その後1931年、この製法を用いた製品につける名称として「アルマイト」が商標登録化するなど、アルマイト処理は日本発祥の技術として発展してきました。