スタッフインタビューInterview
Interviewee
- 新田 龍太 (L)
- Ryuta Nitta
2019年入社 - 大隅 靖之 (R)
- Yasuyuki Osumi
2021年入社
入社の経緯を教えてください。
- 新田
- 前職は建設・土木作業員でした。5〜6年勤めた中で、東日本大震災が発生した時には、東北で復興事業に従事した経験もあります。仕事にやりがいを感じていたものの、毎日のように作業場所が変わり、移動時間も長いという働き方を見直したいという思いから、転職を考えるようになりました。あと、震災後の光景を目の当たりにして、考え方が変わったことも大きかったですね。毎日同じ家に帰って、家でご飯を食べて、休日は家族と過ごすという当たり前のような日々が大切だと実感しました。転職を機に、そろそろ地元である三重へ帰ろうかと思っている最中、前職の親方が翔陽の会長と繋がりがあり、紹介してくれたことがきっかけで翔陽の存在を知りました。昔からものづくりが好きというのに加えて、建設業や復興事業に携わるうちに重機や油圧機器の部品を作る会社に漠然とした興味を持っていたので、入社しようと決意しました。
- 大隅
- 私はもともと販売員をしていました。まったくの異業種からの転職ですね。翔陽に入社するきっかけとなったのは、会長との出会いです。前職時代、共通の知人から会長のことを紹介してもらって。実は、会長とは地元が同じということもあって、会長行きつけの居酒屋でお会いすることも何度もありました。何度かお話している中で翔陽で働かないかとお誘いいただき、私自身、会長の寛大なお人柄をひしひしと感じていたので、それが決め手となって入社しました。
入社後、仕事内容に対してどのような印象を受けられましたか。
- 大隅
- しんどいなというのが正直な印象です。入社するまで肉体仕事をしていたわけではないので、暑い環境や重作業というのは、慣れるまではハードでした。実は、私はもともと本社勤務で、主に事務系の仕事を担当する予定だったんです。でも、三重工場の方がより人手が必要ということでお声がけしてもらい、それならと引き受けました。
- 新田
- そうなんです。大隅くんには最初、三重工場の生産管理をお願いしようと思って来てもらったんですが、私としては、大隅くんにも現場に出てほしいなという思いがあって。大隅くんに話をすると、「やります」と答えてくれたので、現場作業をお願いすることになりました。いまだに申し訳ないなという気持ちもあるんですけどね。本社勤務から突然三重工場の現場にというのは抵抗があったと思うので。そのような状況でも、大隅くんは自分の役割をどんどん見つけて行動してくれているので、とても助かっています。右も左もわからず、自分たちより年齢も経験も重ねられている方がいらっしゃる中、そんな方々と対等に渡り合うためには、やはり現場を走り回って、努力を重ねるというのが必要だと私は思っているんですよね。だからこそ、大隅くんにはその姿を私から吸収してもらえたらなと思っています。
- 大隅
- 現場を走り回ることは確かに教えてもらいました。新田くんはいつも汗だくで...それでも常に笑顔なんですよ。それに、周りへの気遣いがとてつもなくて。自分がどれだけ辛くても気配りを忘れない人間性と、大変な仕事を率先してやる姿勢は本当にすごいなと思います。
- 新田
- 私一人ではどうしてもすべてを回すことはできないので、皆さんにお願いをして助けてもらっているという意識なんですよね。なおかつ、三重工場には外国人の方もとても多いので、言葉がなかなか通じにくく、何回説明しても伝わらないこともあります。それなら、伝え方に気をつけるのはもちろん、行動で示すことが重要だと思っているので。
- 大隅
- 本当にすごいですよね。新田くんの背中はとてつもなく大きいです。自分も将来そうなれているんでしょうか...
- 新田
- 私も翔陽には30歳で入社して、危ない作業だと言われても何が危険なのか理解できないほど、何もわからないという状態でした。当時は100やって1上手くいくかという肌感だったのが、今は50やって2上手くいくかなというところまで来たような感覚です。若いからとか、経験がないからと言われて歯がゆい思いももちろんしましたが、その気持ちを忘れず、悔しさをバネにして頑張ればどんどん成長していけるんじゃないかなと思います。
やりがいを感じる瞬間はどのような時ですか。
- 新田
- 前職も関係していますが、部品のありがたみというのを自分自身が感じているんですよね。私は東北で震災の現場を目の当たりにして、家も、町並みも、すべてが元の形を失っているという状況の中、手作業で進めなければならないと言われた時は、終わりが見えない絶望を感じました。ここに重機があればと心から思う瞬間が何度もありました。当時のこの気持ちは今でも鮮明に記憶していて、機械や部品の価値を実感する大きな経験だったと思います。私たちが部品を一つ作れば、一つ建設機械ができて、その機械が様々な国に届くことで現場で助かっている方が必ずいると私は信じているので、その思いが大きなモチベーションになっています。
- 大隅
- 新田くんはそんな先まで見据えているんですね。
私の場合は、目の前のことから自分なりのやりがいを見つけています。私は主に塗型という作業をしているんですが、塗型はどこが良くなかったのか、できていなかったのかが一目でよくわかる作業なんですよね。その分、できなかったことができるようになった瞬間というのもわかりやすくて。もちろん褒められたり、他のスタッフとの関係性が良くなったりするのも嬉しいですし、日々の現場の中で実感する成長や改善がモチベーションに繋がっています。 - 新田
- 私も先程話したようなことを常々考えているわけではないですよ。
日々の作業の中で言うと、例えばこれまで不良率が30%であったのが10%台に、1桁台に、最終的には0にと、どんどん減っていくのを実感する瞬間は、やはりやりがいを感じます。作業の成果を実感する瞬間ですね。少し自己満足のような世界になってしまいますが。今まで上手くできなかったことができるようになるって、成長している証じゃないですか。それを自分の目で見ることができて、肌で感じることができて。そして、自分たちの作ったものがお客様のもとへ届けられるという品質の保証がつくっていうだけでもすごいことだとあらためて感じます。
入社してよかったと感じるのはどのようなところですか。
- 大隅
- 一言でいうと、距離が近いということですね。これはやりがいにも繋がることだと思うんですが、お客様からの声をメールで直接見ることができたり、不良率のデータを確認できたりするので、改善点を自分たち自身で見つけやすいです。そして、新田くんのようにその解決策を一緒に悩んでくれる人が側にいるというのも心強いなと日々感じています。
- 新田
- 私は、挑戦しやすい環境というところです。社長や部長とも電話一本ですぐ繋がることができますし、電話口で「こういう風にやらせてもらえないでしょうか」と相談をすることもありますが、そんな時にはだいたい二つ返事で了承してもらえるんです。私が部長に言われて特に記憶に残っているのは、「ミスしてもいい。ミスしたとしてもどうすればミスするかを覚えるだけだから。ただ、取り返すための努力はしなさい」という言葉です。実際、失敗して怒られたことがないんですよね。やりたいと伝えればやらせてもらえる環境、挑戦をサポートしてくれる体制だからこそ、私も意欲的に行動できているんだと思います。
あとは、大隅くんが言っていた「距離が近い」というのも実感しています。社長や部長とは、特に頻繁に連絡をとっているんですが、仕事に関する相談はもちろん、その延長線上でプライベートの話をすることもあります。本来なら、上司とそんな風に気軽に話をできるのって、慰安旅行だったりお酒の席であったり、リラックスしたコミュニケーションの場だけだと思うんですよね。上司ともどんなことも気軽に話せる関係性というのは、ありがたいなと感じています。 - 大隅
- 私の場合は、本社にいらっしゃる製造補佐の方と連絡をとることが多いですね。困ったことがあればすぐに相談します。それも、本来であれば係長を介す必要があったりして、答えが出るまでに時間がかかったりすると思いますが、翔陽の場合は直接聞ける環境にあるので。
- 新田
- あと、他愛もない話の延長として、スタッフの話をすることもあります。トラブルが発生した時、私が別用で駆けつけることができなかったんですが、大隅くんやスタッフが解決してくれたとその日の出来事を報告したり。すでに解決していることでもありますし、部長からすれば結果が重要で、別に報告しなくてもよいことかもしれないですが、私は伝えることが大切だと思っています。私自身、「一律」という言葉があまり好きではなく、頑張っている人と頑張っていない人が一緒っていうのはおかしいと思っているんです。なので、私たちのやっていることを見てもらえるように、そして、スタッフにも、見てもらえているという意識を持ってもらうために。本社の方からはどうしても三重工場の様子すべてが見えるわけではないと思うので、それを伝えることが私の役割だと思っています。
お二人の今後の目標を教えてください。
- 新田
- 三重工場全体の目標で言うと、本社や伊賀工場の皆さんから「三重工場で作った製品は大丈夫」と信頼してもらえるようなものづくりをすること、私自身の話だと、「三重工場には新田と大隅がいるから安心できる」と言ってもらえるような実力をつけることですね。いずれの目標も達成するためには、意欲的に挑戦することが欠かせないと感じています。
- 大隅
- 新田くんと重なるところもありますが、三重工場ですべてが成り立つようにすることが今の一番の目標です。現状、尼崎工場あっての三重工場という位置づけのように感じたり、社内でも「三重工場で作った製品はまだまだだ」と思われているのではないかと考えることもあるので。安心して任せてもらえるようにしたいですね。製品を作ることはもちろん、数字やスケジュールの管理も三重工場でできれば、本社の皆さんも少し手が空いて、その分新しいことにも取り組めたりすると思うんです。私たち自身も、同じことをただ繰り返すだけでなく、スキルアップが必要だとも思っているので、三重工場全体として目指していきたい目標です。
- 新田
- そうですね。正直、データ管理の面ではどうしても本社へ任せないといけない部分もあるんですが、実際に製品を作っている私たちが、不良率のデータを見た時に、どういう原因でこうなっているのかとか、対等な立場で意見を言えるようにならなくてはいけないと思うんです。こちらで判断することができれば、わざわざ本社からここまで足を運んでもらって、実際に製品を見てもらって...というフローがなくなり、移動時間や考える時間も効率化できるので、会社全体としてももっとよい方向に進んでいけるんではないかなと思っているので。この目標を達成するためにも、まずは私たちが行動で示していかないといけないですね。
- 大隅
- 新田くんが頑張りすぎてしまわないように目を配りながら、私もサポートしたいと思います。