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改良処理とは
- Publish :
- 2023.12.15
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改良処理とは
1.必要性
●Al-Si系合金は、組織中に占める共晶(α+Si)相の割合が非常に多く、この共晶中のSi相は薄く長く成長した結晶である。
●この鋳物に引張りや圧縮の力がかかると、薄く長いSi相の先端に力が集中し、細かい割れが発生しやすくなる。
そしてSi相とα(Al)相の境界に沿って割れが急速に伝わるため、とくに伸びや衝撃値などの靭性が低く、強度も低くなる。
●この割れ発生と割れ伝播を抑えるため、Na、Srなどの元素を微量添加し改良処理を行う。
2.改良処理
● NaまたはSrを添加すると、先端が丸みをもった多数の枝に分岐した「さんご状(しだの葉状)」結晶の連続体に変化する。
●このため Al-Si系合金において改良処理材の伸びと引張強さの値は非常に高い値を示すようになる。
3.その他
●合金では共晶組成のAC3Aだけでなく、Siをおよそ5%以上含有するAC2種、AC4種、AC8種の合金にも添加される。
●Naは酸化減耗が激しく、溶湯保持中の改良効果の持続時間が短い。 またNaは黒鉛ルツボなどの耐火物を侵食しやすく、
耐火物の耐久性を損なう。 近年、改良効果持続性がおよそ3倍近く長い、Srによる改良処理が多く行われている。
●Si相は凝固時の冷却速度を著しく速くすると微細になる。(普通ダイカストでは改良処理が行われなくても共晶Si相は微細となる。)